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孤児だった御咲・K・柊咲は引き取られ、義理の両親と共に幸せに暮らしていた。
だがそれは、七歳のクリスマスの夜に終わりを告げる。
その日家に帰った柊咲を迎えたのは二つの死体と、血をすする赤い影だった。
無我夢中で逃げ惑った彼女は、幸か不幸か一人の男と出会ってしまう。

十一年後。
街では行方不明事件が起こり、年末に向けて加速を続けていた。
犯人の手がかりは一向に掴めず、被害者の痕跡すら見つからない。
ただ漠然と、消えていく。
だが、夜の街を歩む柊咲は確信を抱きながら、いつか見た吸血鬼の姿を探す。
手には刀、左目には既視、世界には矛盾の少女。

醒めた復讐と終わらない終わりに彩られ、魔女の闇が躍り始める。